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VOL.9 「ANGELE」(ナパ)

アンジェルのエントランス

Hatt / Napa Mill ビルディング
ナパ・ダウンタウンの復興については、Vol.1, Vol.3のレストラン情報でもお知らせしました。今回は、その再開発のひとつとして注目を浴びた、Hatt / Napa Millビルディングに新しくオープンしたレストランをご紹介します。

1884年に建てられたHatt/Napa Millビルディングは、国定「historic place」として登録されており、アルバート・ハット大尉が建物を完成させて以来、蒸気船の発着場であり、アイス・スケート・リンクやレストランがある、ナパの人々が集うサロンのような存在でした。次のオーナーの手に渡ってからは、ウエアハウス(倉庫)ビジネスが強化され、主に飼料の類を扱っていました。

アンジェルの店内

ホテルのオープン、そしてフレンチ・ブラッセリー
何年もの年月を経て、Napa Millは再び、人々が集まる場所として生まれ変わりました。まず、ラグジュアリー・ブティック・ホテル「ナパ・リヴァー・イン」が開業。食料雑貨店「ナパ・ジェネラル・ストア」、ベーカリー&ケーキの「スイーティ・パイズ・ベーカリー」が入り、街の人気レストラン「セラドン」(Vol3で紹介)が移転してきました。 そして、2002年12月、フレンチ・ブラッセリー「アンジェル」がオープンしたのです。

興味をそそるスタッフ・チーム
新しいレストランができると、そのオーナーが誰なのか、シェフはどういう人なのか、という情報が先行します。その店が足を運ぶに値するものかどうかの判断基準にするわけです。「アンジェル」は、まったく申し分のないレジメを持っていました。オーナーは、Claude Rouasクロード・ロア氏とその娘、Bettina ベッティーナ& Claudia クラウディアさん。

クロードさんは、ヨントヴィルの「ピアッティ・レストラン」や、高級リゾート「オーベルジュ・ドゥ・ソレイユ」のオーナーでもあり、ベッティーナさんは今まで、フレンチ・ランドリー、ビストロ・ドン・ジョヴァーニ、ビストロ・ジエンティというワイン・カントリーのトップ・レストランで経験を積んできています。

そして、厨房を担当するシェフは、Christophe Gerard クリストフ・ジェラード氏。彼は、パリのあの有名レストラン「タイユヴァント」で修行をし、ニューヨークの「Lespinasse」や「Caf_ Pierre」で腕を磨いてきました。

ナパ・リヴァー

ナパ・リヴァーのほとり
「アンジェル」は、ビルディングの中で最も川寄りにあり、窓からはゆったりと流れるナパ・リヴァーを眺めることができます。入り口前のテラスには、春ともなれば、いくつかのテーブルが出され、鮮やかな陽光と、それを反射してキラキラ光る水面をバックに食事することができるでしょう。

店内は、比較的長めのカウンター・バーと、ほんの少し小さめのテーブルが並ぶダイニングが、すっきりと整えられており、流れるBGMは軽快なシャンソン。まったく何を歌っているのかわからないフランス語の歌も、明るいランチの場にはピッタリです。

ある日のランチをご紹介

メニューはアペタイザー7種、メイン9種、サイド5種から成っており、一番高いメインで20.50ドル、一番安いアペタイザー6.50ドル。気軽に食べることのできる、リーズナブルな価格設定かと思います。

オックステイルとレンティルのサラダ

「Oxtail and Lentil Salad 〜オックステイルとレンティルのサラダ〜」(10ドル)

オックステイルとは、牛の尾のことで、皮を剥いで輪切りの形にしてシチューに使われたりします。付け根のあたりに肉がたっぷりついているのですが、輪切りで出されると非常に食べにくい代物でもあります。「アンジェル」のオックステイルは、その肉の部分だけを取り、よく煮込まれたレンティル豆(レンズマメ)の上に乗せられています。その上に、フリッセー(カーリー・エンダイブ)と小さく乱切りされたプチトマト。お肉はとても柔らかく、レンティルの「ぐにゅっ」とした舌触りと一緒になり、フリッセーのパリっとした触感が、全体を引き締めます。サイドを飾るソースは、ラヴィゴート(Ravigote)ソース。 ヴィネガーが、ケーパーやオニオンで味付けされた、サッパリしたソースです。

オニオンとゴートチーズのタルト

「Onion and Goat Cheese Tart 〜オニオンとゴートチーズのタルト〜」(8.50ドル)

この日、飲み物としてシラーをハーフボトルで頂いたのですが、このアペタイザーは、まさにベスト・マッチングでした。かなりの時間をかけてソテー&カラマライズしただろう、かなり焦げ茶色したオニオンが敷かれた上に、ゴートチーズが盛られ、それらがパイに囲まれて焼かれています。 温かいゴートチーズとオニオンの濃厚さが、口いっぱいに広がります。横に添えられているのが、これまたフリッセーで、絶妙にソテーされたベーコンの小片と一緒に頂くと、ゴートチーズのまったり感がうまい具合に薄まります。シラーも良く合いましたが、すっきりしたソーヴィニョン・ブランやリースリングなども、イケそうです。

仔牛肉のシチュー

「"Blanquette de Veau" 〜仔牛肉のシチュー〜」(20ドル)

スタッフの人にお薦めを聞いたら、その中のひとつがこれでした。大きな仔牛肉の塊は、程よく噛み応えあり、オニオンがほのかに甘い。ホワイト・マッシュルーム、ホワイト・ソース、お肉も白っぽいので、全体にパっとした華やかさに欠けるのですが、味はなんだかホっとする温かみのある一品です。小さな容器に入れて別に出されたライスは、日本のお米と違って少々パサついたタイプのものですが、これをシチューに浸してマッシュルームやオニオンと一緒にほおばると、思わず、「お母さん、これ、おいし〜〜〜い」と子供に帰ってしまうかのよう。

胸腺のソテー

「Sauteed Sweetbread 〜胸腺のソテー〜」(15ドル)

定番メニューの他に、「今日のスペシャル」メニューが紹介されますが、そのうちの一品がこれです。その日の「アンジェル」のスイートブレッド(胸腺)は仔牛のものでした。一口食べて、その上品な焼き具合にびっくり。表面はいい具合にカリカリ焼けていて、中はしっかりジューシー。
上に散りばめられているのは、トリュフとセロリの葉っぱ。ソースにもトリュフが使われ、ミニ・キャロット、レンティル豆が味付けに添えられています。肉自体には、適度な塩気がついているだけですが、それでも、まずお肉だけで、その絶妙な焼き具合を楽しみ、そして二口目には、トリュフソースをつけて頂きます。今まで食べた胸腺ソテーの中で、ベスト3に入るかと思えるほどの素晴らしい一品でした。

「ANGELE」のワイン・リスト

アンジェルのバー

フレンチ・ブラッセリーであるだけに、フランス・ワインがリストのおよそ半分弱を占めています。

アメリカでのフランスワインは、結構高くて手を出しにくいのですが、「アンジェル」では求めやすい価格のフランス・ワインを揃えているようです。リストの残り半分強は、当然カリフォルニア・ワイン。カベルネ・ソーヴィニョン、ピノ・ノワール、ジンファンデル、メルロ、シラー、メリタージュ、シャルドネ、ソーヴィニョン・ブランなど、一通りカバーされており、ネームバリューのあるトップ・ブランドが揃っています。

白なら、ナイヤーズNEYERSのシャルドネ、赤なら、セゲシオSEGHESIOのジンファンデルなどどうでしょう。アウトポストのジンファンデル、ハウエル・マウンテンもあります。

バイ・ザ・グラスは、スパークリングを含めて、たったの5種類しかないのですが、エミリオズ・テラスEMILLIO'S TERRACEのカベルネ(9ドル)をトライしてみたいものです。

嬉しいのは、ハーフボトルの選択肢が多いこと。白11種、赤18種の中には、ブロックヘディアBLOCKHEADIAソーヴィニヨン・ブラン '01(21ドル)、カール・ローレンスKARL LAWRENCEカベルネ・ソーヴィニョン '99(42ドル)、キュラーCULLERシラー'00(30ドル)があります。

ランチも営業している気軽なフレンチ・ブラッセリーが、「ビストロ・ジエンティ」以外になかったせいもあるのか、12月にオープン以来、平日・週末問わず、地元客で店内が埋まっています。 一人でぶらっと訪ねて行っても、カウンターに座れば、元気なバーテンダーさんがちゃんと、ケアーしてくれます。ナパのダウンタウンは、本当に素敵になりました。

データ

アドレス 540 Main Street, Napa
電話番号 TEL:(707) 252-8115
営業時間 毎日11:30AM〜 10:00PM
★ ディナー及び週末のランチは予約していくことをお薦めします。
平日のランチは11時半オープン直後に行けば、問題なし。
或いはカウンターに座るのも良し。
座席数 約55席。(入り口前のテラス約60席予定)
店の奥に、セミ・プライベート約10席あり。
クレジットカード Visa, MasterCard, American Express
ドレスコード カジュアル
ワイン持込
Corkage 1本15ドル
ウエブサイト http://www.angele.us/
(2003年2月現在)
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