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VOL.8 「PIPERADE」(サンフランシスコ)

ピペラードの店内

今回は、ちょっと都会へサンフランシスコ
ワイン・カントリーには、まだまだこれからご紹介したいレストランがたくさんありますが、今回はちょっと都会に足を伸ばしてみましょう。

ワイン・カントリー最寄の都会といえば、サンフランシスコ。アメリカ人が「一番住んでみたい街、訪れてみたい街」に挙げ、旅行雑誌「コンデ・ネスト誌」でも、ここ数年連続して、人気ナンバー1の栄冠を獲得しているサンフランシスコ。この街は、ニューヨークに並んでグルメ・シティとしても、その名を馳せています。

カル・バスの店
今回ご紹介するのは、ジーンズの最高峰「リーバイス」本社(リーバイス・プラザ)の近くにある「PIPERADE」(ピペラード)。ピペラードというのは、スペイン・バスク地方の郷土料理で、その名前からも察せられるように、この店はバスク料理をカリフォルニア風にアレンジした料理が売り。 「カル・イタ」という言葉があるように、ここも一部の人達には「カル・バス」と呼ばれ始めています。

ピペラードの店内

人気シェフが力を入れる
サンフランシスコのSOMA地区(サウス・マーケット)に、小さなフランス料理店「フリンゲール」という人気レストランがありますが、ここの名物シェフGerald Hirigoyen ジェラルド・ヒリゴイエン氏が数年前、フレンチ・ビストロ「パスティス」を共同出資者として開きました。今ひとつ軌道に乗れなかった同店のオーナーシップを買い取り、同じ場所に新たに改造・開店させたのが、この「ピペラード」です。

フランス料理においても一目置かれるジェラルド氏は、フランスとスペインにまたがるバスク地方の出身。彼は、故郷の田舎を思い出すような、懐かしいフレーバーを再現させようとしたのです。

ほっとするインテリア
改装された店内は、ちょっと前までのトレンドだった倉庫風インテリアの「こぎれいさ」が排除され、温かみとカントリー・テイストが加わりました。少し低めの天井、れんがが埋めこまれた壁、よく磨かれていそうなハードウッドの床と、同系色の天井の梁、しっかりした椅子。

店内の真ん中には、8人座りの大きな正方形のテーブルがあり、そこには天井から錬鉄でできたシャンデリアが下がっています。何とこれが、アンティークのボトル乾燥ラックで、本当に何本もの空ボトルが差し込まれているのです。これを見るだけでも、この店に行く価値あり。

ある日のランチをご紹介

メニューは「TIPIA」(小プレート:前菜)、「HANDIA」(大プレート:メイン)、「EUSKALDUN」(バスク・クラシック:日替わり)とに分かれています。どれもこれも、全部試したくなるような、つまり想像力をかきたてられるような、そんなメニューです。

秋のアンディーヴ・サラダ

「Autumn endive salad 〜秋のアンディーヴ・サラダ〜」小プレート(7ドル)

自分で料理する者からすると、やはり盛り付け・見た目の美しさに、プロと素人の差が歴然とあるなあと思わされます。これも、そういう一皿。元気なアンディーブを使うのは絶対条件としても、ここまできれいにタワーにできるなんて、羨ましい限りです。ザクロの粒粒を散りばめ、くるみで甘みを加え、エキストラ・バージン・オリーブオイルと何らかのビネガーでコーティングされたサラダは、前菜として最高。上に乗っているのは、ゴート・チーズのコロッケ。洋梨のスライスがこっそり敷かれてあり、それと一緒に頂くと、顔がほころんできます。

カニ身のパイ包み

「Crab "txangurro" 〜カニ身のパイ包み〜」小プレート(8ドル)

バスク料理とカリフォルニアのフュージョン独特の一品だろうと思います。ほぐされたカニの身をマヨネーズとハーブで混ぜ、それを四角い薄いパイ生地に包みます。それを、恐らくオリーヴ・オイルでカリっとソテーしています。この形にしてしまうところが、プロの技だなあと感心しきり。
パイの上には、マンゴと赤ピーマンのサルサが乗っており、濃い赤紫色のサラダ菜、バルサミコ酢がお皿を飾ります。マンゴの使い方が素晴らしい。

子羊の胸腺ソテー

「Lamb sweetbreads sauteed 〜子羊の胸腺ソテー〜」小プレート(8ドル)

時々、かなり生臭いラム料理に出くわすことがありますが、ここの胸腺ソテーは、ほのかにレバー風味が感じられるだけで、問題ありません。エルサレム・アーティチョークと呼ばれる野菜の薄切りが程よく甘く、ガーリックの香りたっぷりのスープがアクセントになっています。
パンと一緒にパクパク食べてしまえる、かなり、お薦めの一品です。赤ワインがとてもよく合うのでバイ・ザ・グラスで1杯だけのつもりが・・・・・。

赤ワインとパン
モントレー・イカのソテー

「Sauteed Monterey squid 〜モントレー・イカのソテー〜」大プレート(16ドル)

巷のスクイッド(イカ)ソテー料理といえば、大抵ブツ切りにするか、スライスしてるかなのですが、ここはモントレー・イカの形をそのままに、大胆にソテーしてあります。その迫力にまずビックリ。
大ぶりに縦スライスしてソテーされたポテトが脇を飾り、そして、ド〜ンと上に置かれたフォアグラ!それらの下には、グレープをアクセントに使ったフォアグラ・ソース。何という贅沢さ、何というアイデア。このソースのリッチな味わいで、またまたワインの減るピッチが早まる、早まる。

「PIPERADE」のワイン・リスト

ワイン・コーナー

「ピペラード」の、もうひとつの売りは、ワイン・リストです。当サイト「ワイナリー・トピックス」VOL.4(10月号)でご紹介した、ミューラのエマニュエル・ケミジ氏、彼がここのワインリストを作りました。

エマニュエルと当店オーナー・シェフのジェラルドとは、昔からの友人で、ミューラを立ち上げる時も、ジェラルドが仲間の中に入っていました。エマニュエル作のワイン・リストは、この店の食べ物に合うようバスク・レッドも充分に取り入れらており、要所要所に説明も書かれてある、親切なものです。

もちろん、エマニュエルのワインも入っていて、ミューラから「ALMVS」にブランド名を変えた、メリタージュもあります。全体的に、注文しやすい価格で揃えられており、ソーヴィニョン・ブランで、ボトル28〜52ドル、シャルドネ25〜95ドル、バスク・レッド29〜79ドル、ピノ・ノワール25〜79ドル、シラー27〜63ドルとなっています。ドットコム・バブル時代に、他レストランで125ドルくらいついていた某ワインが、ここでは79ドルになっていたりして、そういうワインを見つけるのも楽しいかもしれません。

周辺に、広告代理店、テレビ局、デザイナー事務所などがある土地柄も手伝って、ランチも大盛況のピペラード。辛口レストラン批評家のマイケル・バウワー氏も★★★をつけて、これからも人気がぐんぐんと増すことでしょう。確かに、メニュー全部網羅するまで通い詰めたくなるお店です。

データ

アドレス 1015 Battery (near Green), San Francisco,
電話番号 TEL:(415) 391-2555
営業時間 ランチ 月〜金11:00AM〜3:00PM
ディナー 月〜木 5:30PM〜10:30PM
金・土 5:30PM〜11:00PM
日曜定休
★ ランチもディナーも、予約していくことをお薦めします。予約せずに行くなら、ランチは11時半オープン直後に。或いはカウンターに座るのも良し。
座席数 85席。(入り口前のテラス 16席)
クレジットカード Visa, MasterCard,
ドレスコード カジュアル
ウエブサイト ホームページはなし。
(2003年1月現在)
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