ワイナリー巡りのついで? サンフランシスコから約1時間半北上した所にある「ヒールズバーグ(Healdsburg)」という街は、ヨーロッパの田舎を彷彿させる、素敵にチャーミングな「Small town」です。
30分のドライブ範囲に約60ものワイナリーがこの近辺に集中しているため、ワイナリー巡りついでに立ち寄るというパターンが多いようです。が、この街は、「ついで」で済ませてしまうことに躊躇する、何か不思議な魅力を持っています。それが何なのか、明確に言葉で言い表せないところが、またこの街を訪れてみたくなる要因のひとつ。
プラザの役割 1800年代ゴールドラッシュ時に、一攫千金を狙ってオハイオからやってきた、ハーモン・ヒールド(Harmon Heald)という男性がいました。健康を害し、金発掘をあきらめた彼は、この街を見つけ、店や郵便局、そしてスパニッシュ・スタイルのプラザ(広場)を建てたのです。1857年のことでした。
街の名前は、その彼から取ったもので、すなわち「ヒールドの町」という意味です。(〜burg、〜villeという地名は、「〜の町」「〜の村」という意味だと思っていれば、およそ正しい)街の中心には、その当時からのプラザ(広場)があります。
ソノマの街もそうなのですが、このプラザを核として周囲に店、レストラン等がこれを囲む形は、見て回る範囲が視覚の中でハッキリするせいか、心理的に「守られている」と感じる心地よさを与えてくれます。だから、そぞろ歩きに不安がない。天気の良い日には、緑いっぱいの中でベンチに腰掛け、カプチーノをすする・・・、それだけで、何だかとても心豊かになってしまうのです。
テイスティング・タウン ワイナリー巡りのついでに立ち寄るパターンを経験し終えたら、次はヒールズバーグを一日の中心にして動くパターンにトライしてみたいものです。プラザ周辺には、ワイナリーの出店、すなわち「テイスティング・ルーム」が5軒あります。Artisan Cellars (Kendall-Jackson), Rosenblum Cellars, Selby, Gallo of Sonoma, Windsor。ケンドール・ジャクソン系列は多くのワインを抱えていますので、試飲もバラエティに富んだものになることでしょう。ローゼンブラムでは、ワイナリーの名を成すジンファンデル各種にトライしてみたいものです。
車を走らせては停めて乗り降りするのでなく、ぷらぷら歩きながら数軒のワイン・テイスティングができるというのも、これはこれで結構楽しいものです。ただし、これら5軒のすべてで、全て試飲してたらブっ倒れる人もいますから、くれぐれもご用心。ある程度は、「ぺっ」をしましょう。
朝のコーヒーなら・・・ 朝早めに到着したら、カフェで熱いコーヒーとペイストリーの朝食で一息、というのもGOOD。プラザ北東の角近くにある「FLYING GOAT COFEE」(「空飛ぶヤギ・コーヒー」!?素敵だ)は、フレッシュでコクのあるコーヒーを求めて、毎朝たくさんの地元客が訪れるカフェ。ファンシーな装飾、お洒落なインテリアなど無縁の店ですが、だから毎日訪れても落ち着くのです。
この土地ならではのベーカリーなら・・
ローカルのものにこだわるなら、プラザ北東の1辺真ん中あたりにある、「DOWNTOWN BAKERY& CREAMERY」へ。ここも、見事と言って良いほど素っ気無い店内ですが、デザートはソノマ産の卵、クリーム、バター、牛乳のみで作られています。朝のうちに店に入ると、焼きたてのパンを買いに来た人達で狭い店内がいっぱい。ふっくらおいしそうなマフィンやクロワッサンも、ううう、おいしそう。この店では、ready-to-bakeのパイ生地も売っており、これがまた素晴らしい。
ワイン購入なら・・・ せっかくワイン・カントリーに来たのだから、ワインを買いたいということなら、「THE WINE SHOP」か「OAKVILLE GROCERY」で。「ザ・ワイン・ショップ」はプラザ北西角。他のワイン屋に寄る時間のない人には最適の場所です。新しいワイナリーものも常に押さえてありますし、個室セラーの中にはカルト系有名どころのワインも鎮座ましましています。ただし、他のワイン屋を何軒も訪ねる時間のある人は、ここではラインアップを眺めるだけにしておくべきかも。少々、値付けが高いのです・・・。
「オークヴィル・グローサリー」については、「レストラン情報」をご覧ください。
地元客と観光客 週末になると、ベイエリアからの訪問客が増えますし、ワイン・カントリーの真ん中ですからもちろん観光客もそれなりの数が訪れます。しかしヒールズバーグは、地元の人達が、ごく自然に「大切にしている」街、地元の人達の生活ルーティーンの中にすっぽり入っている街です。そして、この街のそういう雰囲気は、比較的裕福な土地柄によるものと思われます。多少値が張っても、ローカルの個人商店の品物を買い続ける経済的余裕が顧客側にないと、こういう小さな街は、やっていけないはず。
マリン郡に集まる富裕層、ソノマ郡の成功したワイナリー関係者、なんらかのコンサルティングで儲けている人達・・・、どのように、どういう職種で豊かであるのかまではわかりませんが、そういう人達が好んで時間を過ごすのが、このヒールズバーグなのです。
朝のコーヒーから始めて、テイスティングに興じ、ゆっくりランチを楽しんで、食後の腹ごなしにプラザでのんびり。そして、周辺のワイナリーを2軒ほど回って、カントリーサイドの大らかな風景に身を投じる・・・。そういう1日を過ごせたら、ヒールズバーグの素敵な思い出を持って帰ることが出来るはず。
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