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VOL.4 バレル作り拝見

ワインにハマると、どこまでも。
ワイン愛好家のたどる道は様々ですが、有名で手に入りにくい高級ワインを飲んでみたい、惚れこんだワインの作り手がどんな人なのか知りたい、素晴らしい葡萄を生み出すヴィンヤードがどういう所にあるのか見てみたい、そういった好奇心・探求心が飲むほどに増してくる、これがワインの面白さのひとつだと言えます。

そして、その「知りたい・見たい」欲求の先が、バレル(樽)やボトルに向かうのも、至極当然。特にバレルの場合、テイスティング・ノートにも頻繁に出てくるため、一体、ワイン作りにおいて樽というものが、どれだけ実際に影響力を及ぼすものなのだろうか、と考えてしまいます。

制作過程のバレル(樽)

ナパのCooperage
アメリカン・オーク樽で熟成されたもの、フレンチ・オーク樽で熟成されたものが、それぞれどのように味わいに違いがあるのか等は、実際にそれらをバレル・テイスティングしてみないと実感することはできません。そういう専門的な領域にまで行かなくても、バレルそのものへの興味を満たしてくれる所があります。それが、樽製作工場、Cooperage クーパレージです。

ナパには現在、4つのクーパレージがあり、そのうちの1社「Seguin Moreau」(セグン・モロー)は、工場を一般公開しており、訪問者が自由にその製作過程を見学することができます。

セグン・モローのサイン

Seguin Moreau セグン・モロー
セグン・モローは、1850年設立、フランスはコニャックに本拠地のある大手の樽会社です。フランス政府が厳しく管理している森で育つ、樹齢150年のオーク「Houte-Futaie」種を扱う世界で唯一の会社として有名。 工場は、ナパ・ヴァレーの入り口、南端にあります。サンフランシスコからナパ方面に来ると、ナパ・エアポート近くの右手に、立派な建物と会社名が見えます。

Hoop(たが)を樽に打ち込む作業

ものすごい音
1日3回ツアーが行われますが、最初にビデオ・プレゼンテーションがある以外は、各自で工場を見て周ります。工場内に1歩足を踏み入れると凄まじい音がしており、あの音の中では人の話を聞くようなツアーは不可能。その頭に響くような騒音は、工場に入ってすぐ、目の前で行われている、Hoop(たが)を樽に打ち込む作業から発しています。かんかんか〜〜ん!と、勢い良く職人さんによって打ち込まれるHoopは、上部にまず3つ付けられ、開いた花を逆さにしたような形にされます。

ここで使われているアメリカン・オークは、森林から伐採されたあと、空気乾燥され、2年間ウッドヤードで大切に保管、寝かされます。そして、その中から吟味に吟味を重ねて優良な木が選ばれ、細長い長方形の板に切り揃えられます。よく見ますと、その板は細いものと、幅広いものとになっており、樽の「Staves」(樽板)として並べられる時は、それらが交互に置かれます。これはつまり、バランスを良くし、樽の強さを完璧なものにするためなのです。

炎と熱によって、形を整える作業

暖められて、好みの焼き加減に
Hoopをはめられた樽は、床に並ぶ低い火焔塔にかぶせられます。この段階では、もちろん、蓋も底もありません。樽の内部で火を起こしつづけることにより、炎と熱によって、樽板の隙間が埋まっていき、職人がゆっくりと時間をかけて、形を整えます。濡れたモップのようなものや、オークの木屑で温度調整をしながら、開いた花の部分を徐々に閉じさせていくのです。ここまでが「Preheating」。そして、このあとが「Toasting」と呼ばれるもので、ワインメーカーの指示により、焼き加減を加えていきます。

工場内には、色の違う(つまり、焼き加減の違う)木板と、それぞれどのようなアロマとフレーヴァーがもたらされるかという説明が展示されており、なるほど〜と思わされます。Toastingが終了した樽は、「Heads」と呼ばれる上部の蓋のはめこみ、表面のやすりかけ等を経て、完成されていきます。

ワイン1本できあがるまでに、たくさんの人の手が加わっているのだ、ということを、改めて実感させられる場所です。単調そうに見える作業ですが、当然ながら、かなり熟練していないと、あのように作業の一連がスムーズに流れていかないだろうことは一目瞭然。あの頭痛がしてくるような音の中で、よく皆さん平気だなと思って見たら、やはり耳栓して仕事しておられました。受付で申し出れば、見学者にも耳栓を貸してくれるそうです。 比較的朝早くから開いているので、ナパに入る前にちょっと車を停めて見学していくのに最適。ワイン・カントリーにお越しの際は、是非、訪れていただきたいと思います。

事前に頭に入れておきたい用語集
これで、見学もぐっと充実すること間違いなし。

Blige 樽の、直径が一番大きい中心部分。
Chime 直径が一番小さい樽板の先端部分。
Cooper 徒弟制度、又は正式なプログラムを経て樽作りを学んだ熟練職人。
Croze Heads(樽の蓋と底)をはめつけるためにカットされた、樽板又は樽の先端にある溝。
Esquive ワインのラッキング(上澄みを取り出す・移しかえる作業)をする時に使われる栓口。上部の蓋部分(Heads)に開けられ、大抵、6時・8時ポジションにつけられる。
Heads 樽の平らな部分(蓋と底)。ここに使われる木は、「Headpieces」又は「Head Staves」と呼ばれる。
Hoops 樽をひとまとめにする、メタル又は栗の木のバンド。亜鉛めっき鋼鉄が、最も一般的に使われている素材で、それぞれのバンドの端は、リベットで留められる。フランス語で、「cercles」
Staves 樽の側面を形づくる樽板。フランス語で「douelle」。
Toasting 「Charring」とも呼ばれる。樽板が曲がって「樽」の形になったあと、更に内部を火で暖めて焼くこと。樽の内側(樽板の内側)の表面を、茶色くしたり黒くしたりする。

データ

名称 Seguin Moreau Napa Cooperage
住所 151 Camino Dorado, Napa, CA 94558
電話番号 TEL:(707) 252-3408 FAX:(707) 252-0319
営業時間 ツアー(ビデオ&セルフ見学)9:00AM,11:30AM,01:30PM 無料
土曜・日曜・祝日はCLOSED
★ 午後2時あたりで職人さんはいなくなり、見学もできなくなります。
★ カメラ撮影禁止。
ウエブサイト http://www.seguinmoreau.com
(2002年9月現在)
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